このころ貴族文学は、和歌の分野でその最後の輝きを表
このころ貴族文学は、和歌の分野でその最後の輝きを表した。御鳥羽上皇の命で選ばれた『新古今和歌集』の撰者藤原定家(1162~1241)?藤原家隆(1158~1237)らが示した歌風がそれで、平安時代の和歌の伝統に学び、技巧的な表現を凝らしながら、観念的な美の境地を生み出そうとしている。こうした作風は上皇を中心とする貴族たちの間に広く受け入れられ、多くの優れた歌人が生まれた。武士の間にも定家に学んで、しかも万葉調の歌を詠み、その歌を『金塊和歌集』として残した将軍実朝をはじめ、作歌に励む人々が少なくなかった。
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