後白河法皇がみずから民間の流行歌謡
後白河法皇がみずから民間の流行歌謡である今様を学んで『梁塵秘抄』を編んだことは、この時代の貴族と庶民の文化との深いかかわりをよく示している。また、インド?中国?日本の1000余りの説話を集めた『今昔物語集』の中には、武士や庶民の生活がみごとに描き出されている。この時代の文学が地方の動きや武士?庶民の姿に関心を持っていたことを示すものであった。田楽などの庶民的芸能が貴族の間に大いに流行したのも同じ動向のあらわれである。またこれまでの物語文学にかわって、『大鏡』などの国文体の優れた歴史物語があらわされたのも、転換期にたって過去の歴史を振り返ろうとするこの時期の貴族の思想を表している。
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