主役のかぶる面の役は特定のものに決まっておら
主役のかぶる面の役は特定のものに決まっておらず、一つの面を色々なテーマの色々な役に使い分けている。能の面は個性に乏しいが、現実から昇華した形相のなかに表される奥深さが能面の真髄とされる。能面は極度に抽象化された役者の動作と、単調な音楽とあいまって独自の芸術美を発揮する。能の衣装も面とともに、能の味わいの深さを構成する主要な要素となっている。死んだ歴史的人物が現れて過去を語るもの、現在の人間が喜怒哀楽を物語るものなど筋は様々だが、華やかな衣装で主人公たちが静かに語り謡う姿は、日本的な美を十分にたたえていて、知的な古典劇として、最も高い位置にある。
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